SQ5学会

世界樹の迷宮Ⅴに関する調査・研究をしています

世界樹の迷宮X HEROIC 貴き深淵の令嬢 Lv20撃破・補遺(1) - 呪い反射という戦術

こちらは下記動画の補足記事・その1です。

解説とポエムの中間くらいの内容になるかと思いますが、よろしければお付き合いください。


 

今回は「呪い反射」というシリーズ伝統の戦法を使用しました。

「呪い」は初代からシリーズ全ての作品に登場している状態異常で、作品によって微妙に仕様が異なりますが、基本的な性質は変わりません。
それは「呪い状態で相手にダメージを与えると、その半分のダメージを自身も受ける」というものです。
(逆の言い方をすれば、「呪い状態の相手から受けたダメージの半分を相手に跳ね返す」とも言えます)

このシリーズでは、冒険者のHPは(通常は)せいぜい3桁ですが、強敵のHPは4桁や5桁が当たり前です。
そのため呪いは「敵に使われると厄介だが、こちらが使っても弱い」とよく言われてきました。

しかしながら、この「規格外の大ダメージを受けることができれば、相手に規格外の大ダメージを返せる」という独特の効果は、他にはない魅力で溢れています。
(そして、このシリーズでは無駄に5桁ダメージが飛んでくることはままあることです!)
この性質は低レベル攻略などと非常に相性がよかったため、次第に一部の制限プレイなどで活躍するようになっていきました。

世界樹の迷宮(初代)」における呪い反射

「呪い反射」戦術は、おそらくほぼ使われていなかったといっていいと思います。
(少なくとも、筆者は見たことがありません)
呪いは、単なる「敵に使われると厄介だが、こちらが使っても弱い」止まりの状態異常でした。

世界樹の迷宮Ⅱ 諸王の聖杯」における呪い反射

この作品から「呪い反射」戦術が使われ始めます。
もっとも変態的な(褒め言葉)成果として、Lv1(4人)での裏ボス撃破が達成されています。

動画を見るとわかりますが、「ダメージ1回ごとに反射判定」「相手を倒しきっても反射する」という点が「Ⅲ」以降と異なります。

また、「Ⅱ」ではダメージに上限がなく、65535を超えたダメージはオーバーフローしていました。

世界樹の迷宮Ⅲ 星海の来訪者」における呪い反射

おそらく「呪い反射」が最も活躍した作品だと思います。
大航海クエストの最後のボスである「エルダードラゴン」や、裏ボスの撃破によく使用されました。

参考までに、私の好きな動画を1つ紹介しておきます。
サブクラスなしファーマー5で裏ボスを撃破する動画です。(乱数固定あり)

「Ⅲ」から、「行動1回ごとにまとめて反射」「相手を倒しきった場合は反射しない」という仕様になりました。
この仕様変更により、極大ダメージを「食い縛る」スキルも重要になりました。

また、「Ⅲ」からダメージの上限が「59630」に設定されました。(一部例外あり)

世界樹の迷宮Ⅳ 伝承の巨神」における呪い反射

呪い反射は不遇の時を迎えます。(おそらく前作の反動と思われます。)
ここから裏ボスの呪い反射対策が顕著になり、しばらく裏ボスは呪いに完全耐性を持ちます。

新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女」における呪い反射

ここでも呪い反射は不遇です。
「Ⅳ」同様に裏ボスは呪いに完全耐性を持ちます。

ある意味原作に忠実、と言えるかもしれません。

なお、「新」からダメージの上限が「99999」になりました。

新・世界樹の迷宮2 ファフニールの騎士」における呪い反射

呪い反射がやや復権します。
裏ボスには完全耐性が設定されてしまいますが、一部の強敵に有効な戦術として注目されました。
呪いダメージを3倍にする料理があったのも追い風でした。)

特にクラシックモードでは「サラマンドラ」を到達時点で倒す手段として有名になりました。

この他にも「スキュレー」「ジャガーノート」「氷嵐の支配者」などの撃破に活用されました。

世界樹の迷宮Ⅴ 長き神話の果て」における呪い反射

復権したかに見えた呪い反射ですが、再び不遇の時を迎えます。
裏ボスへの完全耐性が3作品ぶりに解除されますが、裏ボスを呪い反射で倒せる現実的な方法は見つかっていません。

「Ⅴ」の裏ボスは極大ダメージを与える攻撃を放つものの、これを反射するのは容易ではありません。
理由はいくつかありますが、「食い縛り系統のスキルが弱い」ことが大きいと思います。
(個人的には呪いの完全耐性で対策されるのではなく、このようにスキルの調整で対策されるほうが好みです。)

そして「世界樹の迷宮X」における呪い反射

呪い反射が帰ってきました。

「ディノゲーター」は、もはや呪い反射してくださいと言わんばかりの敵です。

また「呪い反射で倒す」が条件ドロップの「ハルピュイア」「スキュレー」も、呪い反射で倒すことを想定した調整になっています。

そして、裏ボス「貴き深淵の令嬢」にも呪いの完全耐性がありません。
しかも、呪い反射したくなるような極大ダメージの攻撃を持っています!

今作に至るまでの流れを鑑みれば、これがどういう意味かが見えてきます。
これは「呪い反射できるものならしてみろ」というアトラスからのメッセージです。(確信)

そして当然のように、令嬢には簡単には呪い反射ができないような「対策」が施されています。
それをどうやって破るか、というのが今回の課題だったわけです。


 

……といったところで、長くなってきたので次回に続きます。
次回は、令嬢に施された「対策」と、それをどう乗り越えるかについて語りたいと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございました。