こちらは下記動画の補足記事・その2です。
補足記事その1は こちら です。
その1では、シリーズ全体を通して呪い反射がどのような変遷を辿ったかについて振り返りました。
今回は、「貴き深淵の令嬢」を実際にどうやって呪い反射で倒すかについて考察します。
「貴き深淵の令嬢」を呪い反射で倒すにあたり、最初に決めるべきは「何を呪い反射すべきか」です。
これは実質的にほぼ一択で、「黄泉送り」以外にはありえません。
「黄泉送り」は以下の特性があります。
- INT依存ダメージ 2000%
- 全体攻撃
- 無属性
- 命中率 999%
- ゴシックソウルが4体揃っているとき、ターン終了時に使用
この 2000% というのは破格の威力で、令嬢の属性攻撃(○○地獄)のおよそ 10.5倍 の威力です。
なのでこれを是非とも呪い反射して倒したいのですが、ことはそう簡単には行きません。
過去シリーズの反省を踏まえ、しっかりと呪い反射には「対策」が施されています。
結論から言えば、乗り越えるべき問題は大きく以下の3点です。
- 令嬢の特性により、「黄泉送り」の呪い反射で直接倒すことができない
- ダメージ量が令嬢のHPに対して絶妙に中途半端
- ゴシックソウルが4体揃うまで貧弱な戦力で耐えなければならない
以下、順に解説していきます。
1. 令嬢の特性により、「黄泉送り」の呪い反射で直接倒すことができない
これは、令嬢のもつパッシブスキル「久遠の肉体」によるものです。
これにより、令嬢はHPが0になったとき、ゴシックソウルの残存数に応じて一定のHPで復活します。
したがって、令嬢を倒す場合、HPを0にしたタイミングでゴシックソウルが存在していてはいけません。
しかしながら、「黄泉送り」は「ゴシックソウルが4体揃っているとき」にしか使用しません。
そのため「黄泉送り」を呪い反射して直接HPを0にすると本体が復活してしまいます。
よって、令嬢を呪い反射で撃破するためには以下のような手順を踏む必要があります。
① 「黄泉送り」の呪い反射で令嬢のHPを倒さない程度にギリギリまで削る
② ゴシックソウルをすべて倒す
③ 別の手段で令嬢のHPを0にする
(※ 全体攻撃などで②と③を同時に行ってもよい)
2. ダメージ量が令嬢のHPに対して絶妙に中途半端
ここで、「黄泉送り」によるダメージの最大値を求めてみます。
令嬢のMATは 247 で、ダメージが最大になるのは Lv1 全裸セスタス (MDF 8)で受けた場合です。
この値で計算すると、1発あたり 39937 ~ 41572 ダメージになります。
(無属性かつターン終了時行動なので、これ以上にダメージを増やすことはおそらく不可能です)
これを仮に6人並べたとして反射ダメージを計算すると、およそ122000 ダメージになります。
令嬢のHPは 164996 なので、1回の反射では全然ダメージが足りないことがわかります。
(かといって2回反射しようとすると、今度は大幅にオーバーキルしてしまいます。)
前節より、「黄泉送り」による呪い反射では倒さない程度にギリギリまで削る必要があるのでした。
よって、こちらのMDFは高すぎても低すぎてもうまくいかない、ということになります。
(加えて、適正なMDFの範囲もかなり狭くなります)
また、ダメージの値は乱数で中央値から ±2% ほどのブレがあります。
したがって、令嬢のHPをギリギリまで削るにあたっては、MDFの調整に緻密な計算が必要になります。
(ちなみに今回は、ダメージの乱数をシミュレートするプログラムを作成して最適なMDFを求めています。)
このような調整は、ダメージの値や分散を完璧に求められるからこそ成立しました。
ダメージ計算式を解析してくれた先人の冒険者には足を向けて眠れません。
3. ゴシックソウルが4体揃うまで貧弱な戦力で耐えなければならない
呪い反射をするための構成で戦うということは、すなわち防御力が貧弱であるということです。
この貧弱な防御力で、「黄泉送り」を使用してくるまで耐えなくてはいけません。
ゴシックソウルの召喚は(令嬢のHPを減らさなければ)5ターン周期です。
したがって、4体ゴシックソウルが揃うまでに最低でも20ターンは耐えなければなりません。
属性攻撃は三色ガードや先見術で無効化できますが、それ以外のターンのランダム行動が問題です。
大半は「ハイドクローク」で無効化して対処できますが、対処が難しい行動が2つだけありました。
それが「荒れ狂う刃」と「死の手招き」です。
これらにより、Lv20で20ターンを現実的な確率で耐えるのは不可能だと思われていました。
――――なのですが、とある発見がすべてを覆すことになります。
……といったところで、長くなってきたので次回に続きます。
次回は、「黄泉送りまでどうやって耐えるか」について語っていきたいと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。