SQ5学会

世界樹の迷宮Ⅴに関する調査・研究をしています

世界樹の迷宮Ⅴ ADVANCED 星喰Lv20撃破解説 (1) -『奥義』発見

この記事は、下記動画の解説記事「その1」です。


(長くなりそうなのでいくつかの記事に分け、順次投稿していくことにしました。)

今回はLv20撃破のMVPとなった、とあるスキルの解説です。
こんな凄まじい可能性を秘めたスキルが、どうして今まで埋もれていたのでしょうか?


速攻か、持久戦か

結論から言えば、「難易度ADVANCED, Lv99引退Lv20」では速攻を選ばざるを得ません。
最初に後隙の大きいフルバーストを撃たせ、その次のターンまでに倒し切る火力が必要です。

Lv20の耐久力では、星喰の攻撃を何ターンも凌ぐのは現実的ではありません。
攻略Wiki第六階層ボス撃破例 のページに、「難易度BASIC, Lv99引退Lv20」で星喰に挑んだ方のレポート(9~10ターン撃破)が載っていますが、このレポートの成功率を見て『じゃあ「難易度ADVANCED, Lv99引退Lv20」「持久戦を」挑もう!』と真面目に考える人はおそらくいないのではないかと思います。

とはいえ、Lv20の火力で速攻するのは現実的なのかといえば、そう簡単な話でもありません。
速攻のためには、まずダメージが足りるかどうかの検証が必要です。


『奥義』発見

Lv20速攻撃破の検証は、(筆者の調査不足かもしれませんが、)長らく進展がないようでした。

ところが最近になって突如、Lv20という厳しい条件でも速攻に求められるだけのダメージを出せるスキルが発見されました。
衝撃セスタスのチャージスキル「奥義 煉獄殺」です。



このスキルのチャージ倍率 m は、以下の式で求められます。


s はスキルLvによって決まる補正倍率で、スキルLv10で150%
d はスキルの効果で耐えたダメージ、h はスキル使用者の最大HP
▶ [参考:SQ用語辞典:奥義 煉獄殺 ]

この式によれば、チャージ倍率は「最大HPの何倍のダメージを受けたか」で決まります。
つまり最大HPが低いほど、防御力が低いほどチャージ倍率が上がりますから、Lv20の貧弱なステータスをむしろ逆手に取って倍率を伸ばすことができそうです。


自力が足りないなら相手の力を使えばいい

都合の良いことに、大ダメージを受けるのにうってつけのスキルがあります。
それはもちろん「フルバースト」です。

ここで試しに、Lv20衝撃セスタス(Lv99引退, セリアン転職)が、防具なしでフルバーストを受けたときのダメージとチャージ倍率を算出してみます。

フルバーストは1発の威力が 1000% でINT依存、星喰のMATは 227 です。
セリアン衝撃セスタスはWISが 43 なので、およそ 15200 ダメージになる計算です。
▶ [参考:世界樹の迷宮X ダメージ計算 ]
▶ [参考:GameFAQs Etrian Odyssey V: Beyond the Myth – FAQ ]


最大HPは138なので、このダメージを「奥義 煉獄殺」で耐えた場合を前述の計算式に当てはめれば、およそ 16.74倍 のチャージ倍率になることがわかります。

大事なことなので2回書きます。およそ 16.74倍 です。

あの強力な「奥義 天地破天」ですら、チャージ倍率が 高々5倍程度 であることを考えれば、
これがいかに凶悪な倍率であるかおわかりいただけるかと思います。
おそらくは、これがこのゲームにおける真の最高倍率スキルです。
このスキルを使っても駄目なら、そもそも速攻は不可能であると思ってもよさそうです。


本当にダメージは足りるのか

では、本当にダメージが足りるのか概算してみます。

まずLv20セリアン衝撃セスタス(Lv99引退)のSTRは64です。
武器は最強の拳甲「ポリュデウケス+5」で、ATKは242です。
さらにアクセサリ「世界樹の指輪」でSTRを+30できるので、ATKは336とします。
「大物殺し」Lv10で条件を満たしたときの倍率は、150% × 450% = 675% です。
強化枠は、「粉骨砕身」Lv10 (+100%)、ブレイバント (+40%)で 240% とします。
星喰のHPは96452、DEFは231、全属性弱点125%です。
以上の条件で計算すると、ダメージはおよそ 36600 になります。
▶ [参考:世界樹の迷宮X ダメージ計算 ]

これを単純に前列に3人並べれば、合計で 36600 × 3 = 109800‬ ダメージとなります。
よって、星喰のHP 96452 を十分削りきれることがわかりました。

上記は強化枠やSTRなど、よりダメージを伸ばす余地がかなり残っている状態ですが、それでも速攻に必要なダメージが出せることが示せたと思います。
ダメージに余裕ができると、構成にもある程度の幅を持たせることができます。
ダメージを与えること以外の様々な問題にも対処していくことができそうです。


新たな問題

以上の考察から、どうやら速攻に必要なダメージは足りそうだ、ということがわかりました。

ですが少し考えてみると、すぐに別の問題が浮上することに気づきます。
まず、そもそもどうやってフルバーストを耐えるのでしょうか?

・フルバーストは攻撃がランダムに15回飛んできます。
・フルバーストには即死効果がついています。
・「奥義 煉獄殺」で致死ダメージを耐えられるのは1ターンに1度だけです。
・「奥義 煉獄殺」のチャージ効果を得るには、攻撃を1発は受ける必要があります。
・よって完全に無効化してしまうとまずいので、イージスの盾は使えません

これらを踏まえると、かなり曲芸に近いことをしなければならないことがわかります。
現実的な確率で果たしてこんな作戦が実行できるのでしょうか?



……といったところで、長くなってきたので次回に続きます。
次回は、「どうやってフルバーストを耐えるのか?」について解説したいと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございました。