SQ5学会

世界樹の迷宮Ⅴに関する調査・研究をしています

世界樹の迷宮Ⅴ ADVANCED 星喰Lv20撃破解説・補遺

この記事は、下記動画に対して投稿してきた解説記事(全7回)の補足説明的な内容となります。



かなりマニアックな内容を含みますのであらかじめご了承ください。
動画および過去の解説記事のほうを先にご覧いただいたほうが理解しやすいかと思います。
解説記事の第1回は こちら からどうぞ。


Q. フルバーストの混乱効果対策も必要なのでは?

フルバーストの追加効果は 即死混乱 です(※)。
盲目と「トライシールド」で耐える場合、アクセサリで即死対策はしていますが、混乱対策はしていないように見えます。混乱対策も必要なのでは?

A. 混乱対策は不要です。

追加効果つきの攻撃で致死ダメージを受け、それに対して食いしばり効果が発動した場合、
その攻撃による状態異常と封じの付与判定は全てスキップされます
つまり、攻撃を食いしばった場合、その攻撃の追加効果によって状態異常・封じが発動することは絶対にないということです。
一方で即死効果については、ダメージよりも先に判定されるため、そもそも対策しないと食いしばりの発動判定に入れません。
上記の仕様(バグ?)により、フルバーストに関しては即死対策だけしておけばOKです。

ちなみに、弱体効果つきの攻撃に関しては、食いしばった場合でも弱体付与処理はスキップされないため、しっかり弱体効果を受けます。(スタンについては検証が困難なため未検証。)
また「痺れゼミ」など、死に際の行動を持つモンスターが一部いますが、これらも上記のプレイヤー側の食いしばりと似たような挙動になることが確認できます。

※ そもそもフルバーストに混乱効果ってあるの?という方は、下記動画を参照してください。



Q. 「奥義 煉獄殺」はフルバーストに確定先行できないのでは?

各所の攻略サイトには「奥義 煉獄殺」の行動速度補正は200%と書いてあります。
200%補正ではフルバーストに確定で間に合わないのでは?

フルバーストの平均行動速度値102です。
こちらが確定で先制するために必要な平均行動速度値は計算上およそ124.67です。
衝撃セスタス(セリアン転職)は、無引退Lv20では素のAGI36しかありませんから、
無対策ではむしろ確定で後攻になるように思えます。
(平均行動速度値 については 解説記事第3回 を参照)

A. 無対策でも「奥義 煉獄殺」は確定で間に合います。

当初、衝撃セスタスは行動速度対策で「トランプルブーツ」を装備していました。
これは、チャージ効果を高めることを考えるなら装備するべきではありません。
それにもかかわらず装備させていた理由は、当初は「200%補正程度ではフルバーストに確定で先行できない」と思っていたからです。

ところが実際に動画を見てみると「奥義 煉獄殺」はフルバーストの発動を軽く追い抜いて
パーツの「身構える」よりも先に発動していることが確認できます。
(パーツの「身構える」は発動がかなり早く、こちらの「防御」と同程度の速度です。)

ここから推論できることは、「奥義 煉獄殺」には「ラインガード」等のスキルと同様に、
行動速度値の補正とは別枠の、行動順序を補正する効果」がかかっているのではないか、
ということです。
(これらは「機敏の光剣」の「ソニックスラスト」よりも遅いので「最速」ではありません。)

これらの事象についてうまく説明するためには「一部のスキルには、行動順序を決めるために優先度に近いものが内部的に設定されている」と考えるのが妥当ではないかと思います。
この記事ではこの領域にこれ以上深入りしませんが、これも非常に興味深いテーマですので、いずれきちんと調査した上で独立した記事としてまとめたいと思います。


Q. 「強壮剤注入」でフルバーストの威力は上げられないのですか?


エナジーチューブは「強壮剤注入」という「全攻撃力上昇」効果のあるスキルを使用します。
これでフルバーストの威力を上げてやることで、「奥義 煉獄殺」のチャージ効果をさらに高めることができるのではないでしょうか?

A. 「強壮剤注入」ではフルバーストの威力は上がりません。

フルバーストは無属性なので、このスキルの効果対象外です。
また「大振りの光剣」の使用するスキル「ブレイクブレイド」の「全防御力低下」効果に
ついても、同様におそらく対象外ではないかと推測されます。
(「ブレイクブレイド」については、検証が困難なので現状未検証。)

これらのスキルに限らず、テキストに「全攻撃力」や「全属性」と書いてある場合でも、
効果対象に無属性は含まれないことがこのゲームではよくあります
例えば「守備の号令」は説明に「全ての攻撃」と書いてありますが、無属性は対象外です。
(一方で、本当に無属性に効果があるスキルも存在するのでややこしいことになっています。)

たらればの話ですが、もしこれらのスキルでフルバーストの威力を上げられていたとしたら、もっとトリッキーで面白い戦法がありえたかもしれません。
(後述の「呪い反射」で撃破する戦法の現実性も、雀の涙ほどは上がったはずです。)


Q. フルバーストを呪い反射して倒せないでしょうか?


敵側のオーバーキル攻撃を利用する戦法としては「呪い反射」もシリーズの伝統です。
フルバーストはかなり威力があるので、工夫すれば呪い反射でも倒せるのでは?

A. 原理的には可能ですが、限りなく不可能に近いです。

この可能性を考えるにあたっては、まず「呪い反射」の仕様を理解する必要があります。
呪いの仕様はシリーズによって微妙に異なりますが、今回は特に以下がポイントになります。

ダメージを受けた対象が戦闘不能になった場合、その対象が受けたダメージは、それが戦闘不能に直接関係のあるダメージかどうかに関わらず、呪い反射の対象となりません。

つまり、『攻撃を受けて「最終的に生き残ったキャラクター」の受けたダメージのみを合計し、その半分が呪い反射ダメージとして与えられる』ということです。

この仕様は、「フルバースト」のような複数回ヒットする攻撃を呪い反射しようとするときに影響してきます。「最終的に戦闘不能になったキャラクター」が出た場合、そのキャラクターが戦闘不能になる前に何回かダメージを耐えていたとしても、戦闘不能になった時点でそのキャラクターが耐えたダメージは呪い反射の対象外になってしまいます

この仕様を理解した上で、以下の2点を考える必要があります。

1. どうやってフルバーストを耐えるか?
2. 呪い反射のダメージが足りるかどうか?

この話は長くなりそうなのでさらっと概略だけ書きます。
(概略だけでかなり絶望的な確率になる、というところはおわかりいただけるはずです。)

① 本体を呪いにするので、本体を盲目にできません。
全滅を免れること自体は可能ですが、1人生き残るのが限界です。
フルバーストの威力を下げれば生存人数は増やせますが、そうするとダメージが足りません。

② フルバーストの威力が絶妙に足りません。
最大限の工夫をしたところで1発あたり約45000ダメージが限界です。
星喰のHPは96452なので、96452×2=192904ダメージ必要です。
192904÷45000≒4.3なので、これを 5発 耐えた上で生存しないといけません。

まだ工夫の余地はあるかもしれませんが、少なくとも現状では実現性がないと思います。
このテーマ(呪い反射での撃破)についても、そのうち詳細な記事を書くかもしれません。


Q. これは極限低レベルですか?

引退なしLv20が限界ですか?
これ以上レベルを下げるのは無理でしょうか?

A.「極限」低レベルではありません。

まだレベルを下げられる部分はあります。(撃破確率は当然下がります。)
引退なしLv20」の戦法では、連撃セスタスのレベルはもう少し下げても撃破可能です。
連撃セスタスで取得が必須なのは「粉骨砕身」Lv10(BASIC・要SP11)だけなので、
行動速度と状態異常成功率を犠牲にすればまだレベルを下げることができます。
(連撃セスタス以外は取得スキルの関係上二つ名が必要なのでLv20以下にはできません。)

具体的には、セスタスの投げる「盲目の香」がフルバーストに間に合わなくてもよいなら、
Lv15 まで下げることができます。
この場合、セスタスが「黒霧」、リーパーが「不屈の闘志」を取得することになります。

さらに、1ターン目に「黒霧」を使用しなくてもよいなら Lv9 まで下げられます。
こうなると完全に「粉骨砕身」の必要SPの問題だけになるので、Lv99引退ならば Lv1 まで
下げられます。

なので、現状の極限低レベルは「9/20/20/20/20」(引退ありなら「1/20/20/20/20」)
ということになります。

ちなみに、少し上で触れた「呪い反射」戦法(現状では机上の空論)が仮に万が一成功した場合、
撃破レベルは引退なしで「1/5/20/20/20」となる見込みです。

たぶんこれが一番低いと思います。


Q. 引退なしLv20撃破においては「キングプレス」を使うべきでは?


ポリュデウケスの鍛冶スキル「キングプレス」の威力はLv5で400%です。
一方で「大物殺し」Lv5の威力は 121% × 358% = 433.18% とそこまで差がないので、
「大物殺し」に割いているSPを他のパッシブスキルに回したほうが火力が出るのでは?

A. はい。引退なしLv20撃破においては「キングプレス」を使うべきです。

これは盲点でした引退なしLv20撃破における条件では、最終ターンに「大物殺し」ではなく「キングプレス」を使用するほうが、計算上ダメージがわずかに大きくなります。
撃破動画をご覧いただくとわかるかと思いますが、ダメージは乱数次第ではかなりギリギリになるので、たとえわずかであってもダメージをより稼ぐことのできる戦法をとるべきです。
(実は途中から気づいてはいたのですが、色々と面倒だったのでそのまま強行してしまいました。)



「キングプレス」を使用する最大の利点は、「大物殺し」のSPが5ポイント浮くことです。
浮いたポイントを「狩猟術」「力技」「拳甲マスタリー」「物理攻撃ブースト」に回すと、
STR +8パッシブ強化 +7% になります。
この条件で最終ターンのダメージを比較すると、(チャージ倍率は仮に18.0とします)
乱数補正なしの場合のダメージはそれぞれ以下のようになり、「キングプレス」を使用する
前提でスキルを振ったほうがダメージが 2%程度 高くなることがわかります。

STR 330 /「大物殺し」Lv5 (121% × 358%) / 強化 314%: 31296
STR 338 /「キングプレス」Lv5 (400%) / 強化 321%: 31923

「キングプレス」には低命中(40%)速度補正マイナス(50%)のデメリットがありますが、
最終ターンの星喰本体は確定で盲目状態であり、(パーツ再生以外の)行動をしないため、
このどちらのデメリットも気にする必要がありません。
ただし「キングプレス」のTP消費は35と大きく、睡眠解除のターンにも使用してしまうと
最終ターンにTPが足りなくなるので、この点だけは対策が必要です。
(これについては、衝撃セスタス3人のうち1人だけは従来通り「大物殺し」Lv5を習得させて
おく、というのが比較的バランスのよい解法ではないかと思います。)


Q. アトラスはこの縛りを見抜いていた?


「引退なし」Lv20撃破は想定されていたと思いますか?

A. おそらく見抜いています。

というのは半分冗談です。おそらくそんなことはないでしょう。
が、この戦法での「引退なし」Lv20撃破は実は想定されていたのではないか……、
とも思える根拠がひとつあります。

動画を見ていただくと、撃破ダメージがかなりギリギリなのがわかると思います。
これはギリギリを狙って戦法を詰めたから、……というわけでは決してありません。
「引退なし」Lv20で与えることのできるダメージの最大値を追求した結果、
それが「たまたま星喰の最大HPとほぼ一致していた、というだけなのです。

これが偶然かどうかは開発スタッフしか知り得ないことではありますが、
少なくとも私には到底これが偶然の一致だとは思えません。

皆さんはどう思いますか?