この記事は、下記動画の解説記事「その3」です。
解説記事その1は こちら です。
解説記事その2は こちら です。
前回までで、「奥義 煉獄殺」でフルバーストを受けて速攻撃破するための算段は整いました。
今回からは、全体の行動の流れを考えながら、種族・職業・スキル振り・装備選択などの詳細を、順を追って詰めていきます。今回のポイントは「行動速度」です。
撃破までのおおまかな流れ
前回までの考察をふまえると、撃破までの大まかな流れは以下のようになります。
(以下、撃破ターンを X とします。)
以降では、上記の表をもとに、具体的な行動およびそれに必要な条件等について考えます。
フルバーストを不発にする
1ターン目に行わなければならないことは以下の2つです。
(1) フルバーストを不発にする
フルバーストは、以下のいずれかの方法で不発にすることができます。
ただし、いずれを狙う場合もフルバーストの発動よりも早く行う必要があります。(重要)
A. 星喰本体を行動不能(麻痺・睡眠・石化・スタン)にする。
B. パーツを少なくとも1つ行動不能(麻痺・睡眠・スタン)にする。
C. パーツを少なくとも1つ破壊する。
(2) 星喰本体と全パーツを数ターン行動不能にする
星喰本体を睡眠・石化のいずれかの状態にすることで、星喰本体と全パーツを数ターン行動不能にできます。(1) の A. と重なる部分もありますが、微妙に条件が違うことに注意します。
一番の違いは、(2) は1ターン目の終了時までに条件を満たせばよい、という点です。
行動速度を計算する
前節の条件の中で最もクリティカルなのは、実は (1) における「行動速度」です。
行動速度に関しては、AGIの差が大きい場合、先制確率が0%になる場合がありえます。
一方で状態異常付与に関しては、LUCの差がどれだけあっても付与率が0%にはなりません。
したがって、フルバーストの不発を狙うに当たっては、状態異常成功率を考える前に、
一定の行動速度を確保することを優先して考えなければならないわけです。
▶ 計算式
では実際に、行動速度がどのように計算されるかについて見ていきます。
行動順序は、AGIの値をベースに算出される行動速度値で決まります。
(この行動速度値が大きい順に行動します。)
行動速度値の計算式は、大まかには以下のようになっています。
[行動速度値] = AGI × [装備補正] × [行動ごとの速度補正] × [補助スキル補正] × [乱数]
▶ [参考:DrFetus's Pastebin – EO5 Algorithms (WIP) ]
以下、それぞれの要素について簡単に解説します。
[装備補正]
装備品による行動速度の補正です。プレイヤー側にのみ存在します。
何も装備していない状態を100%とし、装備ごとに以下の補正をすべて加算して算出します。
例えば、弓・服・篭手・靴を装備した場合、装備補正は
100% + (10% + 5% + 5% + 10%) = 130% になります。
[行動ごとの速度補正]
使用するスキルやアイテムの種類に応じて個別に設定されている補正値です。
通常攻撃は100%で、全体攻撃などはそれよりも遅く設定される傾向があります。
状態異常・封じを付与するアイテムは一律で補正80%とやや遅めです。
[補助スキル補正]
行動速度に影響を与えるスキルの補正値です。
「素早さブースト」や「瘴気の兵装」などが該当します。
[乱数]
0.9 ~ 1.1 の範囲でランダムな値が与えられます。
▶ 先制確率
ここで、乱数補正前の行動速度値を、便宜上「平均行動速度値」と呼ぶことにします。
以降の考察で使用するので、平均行動速度値から先制確率を計算する方法をあらかじめ定式化しておきます。
両者の平均行動速度値を a, b (a ≦ b) とします。
1.1a < 0.9b のとき、a 側の先制確率は 0% です。(確定で後攻)
1.1a ≧ 0.9b のとき、a 側の先制確率は以下の式で表されます。
※ 上記は、乱数が連続一様分布に従うと仮定した場合の値です。
それでは実際に、フルバーストを防ぐために必要な平均行動速度値を概算してみます。
星喰のAGIは204、フルバーストの速度補正は50%なので、
相手側の平均行動速度値は 204 × 50% = 102 です。
▶ [参考:GameFAQs Etrian Odyssey V: Beyond the Myth – FAQ ]
よって前節の式から、
こちらの平均行動速度値が 83.4 以下のとき、確定で後攻
こちらの平均行動速度値が 102のとき、先制確率50%
こちらの平均行動速度値が 124.7 以上のとき、確定で先制
であることがわかります。
一番素早い種族のセリアンですら、Lv99引退Lv20における素のAGIは56です。
この時点でおよそ1.8倍の差があり、無対策ではほぼ確実に間に合いません。
それでは以下で、平均行動速度値を高めるための要素について順に考察していきます。
▷ 装備
行動速度補正の観点で特に優秀な装備には、以下のものがあります。
・弓全般: 装備補正 +10%
・ポルカ(服): AGI +7、装備補正 +5%
・アルカディアの王冠(アクセサリ): AGI +20、装備補正 ±0%
・疾風のお守り(アクセサリ): AGI +20、装備補正 ±0%
・トランプルブーツ(靴): AGI +16、装備補正 +10%
また、一部の武器は鍛冶でAGI補正が付けられます。
(鍛冶効果の表示が AGI↑↑ で+10, AGI↑↑↑ で+20)
弓を装備できる職業(ハウンド、シャーマン、 ハーバリスト)は、装備補正の面で有利です。
▷ 種族
素のAGIはセリアンがトップで56、アースランが次点で50です。
種族スキル「樹海探索術」「心眼」「走力鍛錬」がそれぞれ AGI +4 効果なので、
種族スキルによるAGIブーストはセリアンで+12、アースランで+8が最大になります。
これらを合計するとセリアンとアースランではAGIに+10の差が出ます。
▷ 補助スキル補正
全行動に効果があるスキルは以下の2つだけです。
・素早さブースト(Lv10で140%)
➔ 迅雷フェンサー、連撃セスタス、一刀マスラオ、飛鷹ハウンドが取得可能
・瘴気の兵装(Lv5で250%)
➔ リーパーが取得可能 (二つ名不問。ただし「先制兵装」が必要なので最大1人まで)
「瘴気の兵装」Lv5の250%補正は非常に強力で、紛れもなく全職中最速です。
▷その他
・ユニオンスキル「電光石火」なら確定で先制できます。
・条件が厳しいものの、シャーマンの「天恵」も使えるかもしれません。
・脚封じを付与できれば、補正でAGIが半減するので安定して先制できます。
行動速度に関する考察結果
ここまでの考察をまとめると、おおまかな傾向として以下が言えます。
▷ リーパー
・「瘴気の兵装」の補正が圧倒的で、種族・装備枠にかなり融通が利く
・ただし「先制兵装」が必要な関係で採用は最大で1人まで
▷「素早さブースト」取得可能職
・リーパーほどではないが、種族・装備枠に融通が利きやすい
▷ 弓装備可能職
・上記2種に比べ種族・装備枠の制限は厳しめ
・ただし他にメリットがあれば許容できる可能性あり
▷ 上記以外
・他の条件でよほどのメリットがない限り採用は難しい
以上の情報を前提に、フルバーストをどうやって不発させるかを考えていくことになります。
ここでの行動速度の確保に「融通が利く」ほど、後に状態異常付与率やバフ・デバフを考える際に選択肢の幅が広がるため、この区別は重要です。
……といったところで、長くなってきたので次回に続きます。
次回は、今回の議論をふまえた上で「状態異常付与率」について解説していきます。
ここまでお読みいただきありがとうございました。